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てげてげブログ
2014-08-28

653) 大蛇伝説

広島の土砂災害の死者72人、行方不明者10人となった・・・今朝の報道である。大変な災害だ。中国地方の中核都市広島は、人口100万人を大きく超す大都市である。人口が増え、住宅地が外に外にと広がっていった。そんな中での今回の土砂災害である。なんとか避けられなかったのか、今後どうしたらいいのか、これから検討されるのだろう。


そんな時、小さな新聞記事が目に付いた。読売新聞の小さなコラムである。


『  昔話である。山に住む大蛇が里におりてきては、人々に害を与えた。これを一人の若武者が見事に退治する◇大蛇は首をはねられ、自分の流した血でできた沼に深く沈んだ。里の人々はそこを蛇王池と呼び、供養塔を建てた。その伝説を後世に残す「蛇王池の碑」が、広島市安佐南区の八木地区にあるという。土砂災害で最も被害の大きかった地域である◇日本各地に残る大蛇伝説は鉄砲水を示すというのが定説だ。土砂崩れへの警報は、すでに碑が教える数百年前から出ていたのかもしれない◇・・・・・・・・・◇砂防ダムも建設されないまま、住宅地だけが広がっていったらしい。大蛇を待ち構え、刀を振ることはできなかったか。  』


このコラムを読んで思い出すことがあった。3年あまり前に東北地方を襲ったあの大津波の時の新聞記事である。高台の、ある集落の話だった。坂道の途中に昔から「これより下に家を建てるべからず」という趣旨の石碑が建っていた。住民がこれを守ってきたために、この集落からは被害者を出さなかったという内容だったように記憶している。三陸地方は昔から津波の被害に苦しんできた地域であり、いかにもそんな地域らしい話だった。


災害予防策を検討するにあたって、その地域、地域の伝説や言い伝えを調べてみるのも一策かもしれない。昔からの貴重な先人の知恵や教えが沢山残されているのかもしれない。とは言え、喉元過ぎれば熱さ忘れるというのが私たちの習性である。(2014.08.28)

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