豪栄道関、優勝おめでとうございます。それにしても全勝というのはすごいですね。似たような力を持つプロの力士同志が闘うわけですから、15回闘ってそれに全て勝つというのは滅多に出来るもんじゃありませんよね。よほどの力の差があって、しかも幸運に恵まれないと・・・

ひるがえってあなたの大関時代の成績は決して芳しいものではありませんでしたよね。大関在位13場所中、負け越しが4場所もありました。たとえ勝ち越しても2ケタ勝利は1回だけ、8勝7敗を繰り返すことから「ハチナナ大関」と揶揄されました。2ヶ月前の名古屋場所でも7勝8敗の負け越しで、今場所は大関陥落がかかったカド番でした。そんなあなたがたった2ヶ月でどうして全勝するほどに強くなったんでしょうか。技術的にめざましい成長があったのですか、体力的によほで快調だったのですか、それとも精神的な何かですか。

この10年あまり、大相撲で優勝するのはモンゴル出身の力士とほぼ相場が決まっていました。今年の初場所、日本出身の力士としては10年ぶりに琴奨菊関が優勝して日本中が湧きたちました。日本人横綱の誕生を夢見ましたが、その後の琴奨菊関の成績は惨憺たるものでした。稀勢の里関も準優勝が連続2回、あと1歩で横綱と騒がれながらも、今場所の成績不良で白紙に戻ってしまいました。

豪栄道関、あなたの来場所に期待します。横綱昇進のチャンスはもう2度とめぐって来ないかもしれませんよ。だったら、このたった一度のチャンスをものにして横綱に上り詰めてください。30歳という年齢からして、短命横綱でおわるかもしれません。それでもいいじゃありませんか。10数年ぶりの「日本人横綱誕生バンザーイ」だけでもいいじゃありませんか。（2016.09.26）