このところ通勤電車の車窓から眺める桜に、あそこも満開だ、こちらも見頃だと指をくわえていました。土曜、日曜の度にカウンセラー協会の行事が入ってきて、今年は花見を諦めざるをえないかもと覚悟していました。しかし花見て一杯、という長年の習慣を崩すことへの口惜しさは大きなものがありました。子供の頃から両親に連れて行ってもらう花見は楽しみでした。花がというより花見弁当が楽しみだったのでしょう。大人たちが酔って賑やかになるのが嬉しかったのかもしれません。私の中では日本人と花見、この二つは密接に結び付いているのです。

　そして今日。ぽかぽか陽気のいい天気。窓の外を眺めていたら、近くに桜の名所、小倉城があるのを突然思い出しました。昼休みを待ち構えて、新入社員の下島くんを誘って花見としゃれこみました。しかし、いかんせん昼休みは45分間。急ぎ足で現地について、花の下で弁当開いて、急いでお腹に掻き込んで、帰ってきたらちょうど始業のチャイムがなりました。

　昼間なのにシートを敷いてご機嫌さんの団体がいくつもありました。羨ましいなあ、こんなウイークデーの昼間にどんな人達なんだろう（？）
　私達はもちろんアルコール抜きです。下島くんは家から持参のおふくろ弁当でした。私は街中で買った色気のない昼食弁当とペットボトルのお茶が花見弁当のすべてです。
　まあ、贅沢は言いますまい。簡易版であれ、思いがけず今年も花見が出来たのです。感謝、感謝です。