7～8年前になるだろうか。雇用能力開発機構という国の特殊法人が開講した『キャリアコンサルタント養成講座』を受講した。今後、労働者にとってキャリア開発が重要になってくる、ついては全国的にキャリアコンサルタントを大量に養成する必要がある、という国の方針に基づいた施策だった。半年間に亘って休日を潰してせっせと博多の教室に通った記憶が残っている。
　　雇用能力開発機構という団体も名称が変わったようだ。この養成講座も今はない。年間2期ずつ、多分10数期まで続いたのではないかと思う。私が受講したのは2期だった。2期生には意欲的な受講生が多かったし、まとまりも良かった。講座が終了する頃には、自分達でこれを生かす事業を始めようじゃないかという相談が纏まった。
　　自然とリーダー役が決まり、彼の尽力によって、その後ＮＰＯ法人『九州キャリアコンサルタント協会（略称ＫＣＣ）』が誕生した。年をくっていたせいか、私にも理事という役割がまわってきた。事務所がないというので、以前私がいた会社の中に机を置いた時期もある。

　　以来数年。紆余曲折はあったものの、地道に実績を積み上げ、信用を得、少しずつ事業を増やしてきた。会員も50名前後まで増えた。官からの受託事業が多い。キャリアコンサルティングに関連する各種講座や相談会等の多様な事業を、会員が手分けして企画・推進している。汗をかいた会員には、相応の謝礼をお支払出来るようにもなった。勿論、その事業を通じて社会に貢献できたという満足感や、会員自らが実地に経験を積み、力を養いうるという魅力によってこれらの活動が成り立っていることは言うまでもない。
　　かくいう私は、理事という名前を貰っているだけで、業務の都合もあって、それらの事業に参画したことは一度もない。

　　一昨日、臨時の理事会が召集され出席した。来年5月の総会は役員の改選期だという。設立時の一員だったというだけで、名だけ理事をいつまでも続けていいものかどうか、思案しなければいけない時期がきたようだ。