2015-10-22
820) 傾いたマンション
横浜の大型マンションの手抜き工事が騒がれている。打ち込んだ杭が強固な地盤まで届いていなかったという。50本の杭のうち、8本が手抜きでそのためにマンションが傾いたというのである。いずれは倒れてしまうのかもしれない。しかも地盤調査のデータは、別のデータを転用していたというのだから意識的な手抜き工事である。
〇〇国とか△△国とか、近隣の国なら「そういうこともありなん」と思うけれど、わが国でそんな杜撰な手抜き工事が行われていたとは俄かに信じられない。日本人は「専門家がそんな悪いことをするはずがない」という性善説にたって生きてきた人種ではなかったか。
しかも販売したのが「三井不動産」で施工主が「三井住友建設」、その下請けで杭打ちをしたのが「旭化成建材」といずれもビッグネームである。ビッグネーム故に信用できると考えて購入した人も多いだろう。ビッグネームでさえそんなことなら、中小の建設会社にはもっと多いことかもしれない。何を信用すればいいのか。
杭が強固な地盤に届いているかどうかなんて素人には判らない。それどころか工事を担当した監督でないと分からない、という報道もあった。一人の個人に大事な心臓部を丸投げして、会社は管理もしていない、どうなっているか知らない、そんな無責任なことがあっていいものだろうか。
そんなことなら、世の中には似たような欠陥建築物がゴロゴロしているのではないかと思ってしまう。一人の悪人のせいにして幕を引いてしまったら、これから先も再発するにちがいないとも思う。(2015.10.22)