今回は調剤薬局への就職・転職を希望される方、特に20代の若い求職者にお伝えしたいことを書きます。

薬剤師の皆さんはご自身の考えやご希望条件に照らして勤務先を決められるわけですが、その中で個人経営の小規模な会社は敬遠されがちです。特に比較的若い方にその傾向が多いようです。勤務先の候補から外される理由としては、「社内の教育環境が充実していない」「会社の将来が不安」などが挙げられます。中には知名度が高いだけで「何となく大きな会社を選ぶ」という方もおられます。

たしかに比較してみると、小規模な会社は社内の研修制度や福利厚生が整っていないケースはあります。万が一に勤務先が閉局した場合は、1店舗のみの会社でしたら転職せざるを得ないでしょう。また必要最小限の人員で運営されているため、代わりのスタッフが少ないことから、突発的な休みも取りづらいかもしれません。

しかし一方では、組織が小さいからこそのメリットもあります。以下にいくつか例を挙げてみたいと思います。

・一人ひとりに与えられる仕事が多種多様…小規模な会社は少ない人員で業務をこなしますので、個々に任せられる仕事は幅広いです。その分責任は重くなりますが、会社に必要とされていることを実感し、やりがいを持ちながら働けます。

・自分の意見が通りやすい…ボトムアップ方式により、従業員の意見を聞き入れてくれる風通しの良い職場が多いです。ご自身の意見が反映されやすいので、モチベーションも上がります。

・やる気次第で経営に参画できる…小規模な会社では人数が少ない(ライバルが少ない)ことから、ご自身の努力次第で上層部で働くことも夢ではありません。早ければ数年で経営に携わることができるかもしれません。

他にも個々の事情に合わせて就業体制などを柔軟に対応してもらえるような企業もあり、規模は小さくても働き易さの面では大手企業に引けを取らない職場も数多くあります。

必ずしも「大手企業」＝「良い企業」とは限りません。

見かけのイメージや会社の規模だけで候補求人を絞り込んでいた方は、今一度ご自身の希望される事をよく考えてみて、やりがいや働き易さを求めるなら小規模な企業も検討してみてはいかがでしょうか？