2013-12-25
519) 東京都知事
寂しげだったが、憑き物が落ちたようにすっきりした顔でもあった。
都議会で質問攻めにあっていた時の苦しい表情は消えていた。
猪瀬氏について最初に印象に残っているのは
政府の各種委員会で激しい意見を主張していた姿である。
やや横柄な態度で早口に喋っていたという印象が残っている。
次に思い浮かぶのは石原元東京都知事の絶大の信頼を得て
副知事として活躍しているというか、テレビに出てくる姿だ。
知事から信頼されるからには行政マンとしても有能だったのであろう。
そして石原知事の突然の辞任が彼に本格的な政治の舞台を与えた。
石原氏の指名もうけ、都知事選では史上最高の得票数で当選した。
1年前、作家から政治家への見事な変身だった。
就任早々の彼に華を添えてくれたのがオリンピック招致運動だった。
招致に成功して得意満面で帰国したのはついこの前のことだ。
次の知事選挙も含めて猪瀬体制はしばらく万全かと思われた。
人生では、絶頂の時に落とし穴が待っていることが多いものだ。
猪瀬氏もたった1年の間に天国と地獄を見たといえそうだ。
検察の捜査にまで進展するなら、まだ地獄が続くことになる。
(2013.12.25)