2014-06-04
609) 日朝合意
新聞やテレビを見ていて、ほどなく拉致被害者が日本に帰国できるような期待を抱いてしまったが、はたしてこの問題はそんなに簡単に片付くものなのだろうか。
日本人拉致事件は個人の犯罪ではない。北朝鮮という国家が、国家の意思で犯した犯罪である・・・はずだ。国家の犯罪なら、今でも国家が被害者全員の情報を握り、そして管理しているはずだと思う。苦労して拉致した人間を野に放ってしまうはずがない。であれば、今更、特別調査委員会で何を調査するのだろうか。
北朝鮮の国内の様子は、外部から窺い知ることが出来ない。しかも調査委員会のメンバーは全員が北朝鮮の人間だ。はたして調査しているのかどうか、何を調査しているのかも全くブラックボックスの中だ。
たとえ真面目に調査したとしても、独裁者の意思に反した内容を発表できるはずもない。北朝鮮にとって都合の良いことだけを小出しにして、日本から経済的な援助を引き出したあげくには、大部分の拉致被害者に関してはうやむやのうちに幕を引くということになりそうな気がする。
そもそも、国家として正式に「死亡した」と発表し、遺骨まで送り付けて来たのに、本当は「生きていた」と過去の発表が嘘であったことを表明出来るものだろうか、そこには国家の面子というものも働くのではないかと思うのである。(2014.06.04)
画像 : 道端の野草。花の名前も知らない。