709) 衆院選
安倍総理と少数の取り巻き以外の者には不意打ちだったはずだ。その不意打ちの衆院選が終わった。
当初、総選挙の大義名分を問題視する識者も多かった。それらの雑音を物かは、思惑通り安倍総理は大勝した。結果の見えない選挙に賭けて、揺らぎかけていた足元を固めなおした。この人は顔に似合わず勝負師なのかもしれない。
これから安倍総理は今まで以上に自信を持って自分の信じる政治を推し進めることだろう。選挙に勝ったのだから、思い切りやればいいと思うし、マスコミも小さなことで足を引っ張らずに、思い切りやらせればいいと思う。
民主党は公示前よりも少しばかり数を増やしたとはいえ期待外れだった。党の顔である海江田代表は落選した。選挙期間中、民主党の幹部が自民党の政策を声高に批判しても、それじゃ民主党政権の時に何が出来たのか、と白けて聞いていた。
政治から緊張感を失くし、面白くなくした最大の原因は、あの3年半の民主党政権の失敗だったと思っている。政権を取らなければこの党もまだ輝いていたであろうのに、と思う。
この先、民主党にもう一度政権を託してみようか、と国民の信頼を再度勝ちとる日が来るまでに、この党は何年の歳月を要することだろうか。
今度の選挙は盛り上がらなかった。静かな選挙戦だった。自宅近辺でも、街中でも選挙カーをあまり見掛けなかった。選挙ポスターやチラシも少なかった。候補者の顔にいたっては、直接みかけた候補者は1人もいなかった。これまでの選挙では初めてのことである。そしていつの間にか選挙は終わっていた。
投票率は戦後最低らしい。およそ半分の有権者が棄権した。選挙の度に投票率は下落している。そして投票率を上げる有効な手立ては見いだせていない。投票率がどんどん落ちていって、少数者の意思で政治が決まることになったら、どこかで何かとんでもないことが起きそうな気がする。(2014.12.15)
画像:色づいて葉を落とした窓の外の街路樹