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てげてげブログ
2015-12-16

842) がん治療


本屋の新書コーナー、目に入った1冊の本を購入した。近藤誠著「がん治療の95%は間違い」という新書だ。著者の近藤先生は元、慶応大学医学部講師。現在は渋谷で「近藤誠セカンドオピニオン外来」を開業中である。


慶応在籍中にもがん治療の啓蒙書を数多く出版しておられた。私の書棚の中にも昔買った「患者よ、がんと闘うな」とか「がんは切ればなおるのか」といった本が並んでいる。

書かれた内容は激しいものだった記憶がある。現役の大学の先生が医者全体を敵に回すようなこんなことを書いてもいいのだろうかと思ったものである。

大学を離れて一匹狼になった今、その切れ味はさらに鋭さを増したようだ。


本の中身はセカンドオピニオン外来での患者と先生とのやりとりを再現してまとめたものである。読み終わって、私の悩みはかえって深まった。


この本の中で先生は、がんになったら治療せずに放置するように勧めている。手術も、放射線治療も、抗がん剤治療も、それをやれば、何もせずに癌をそのまま放置するよりも早く死ぬというのがこの本を貫く基本線だ。

放置しておいたら2年でも3年でも元気に生きられるものを、余計な治療をするから苦しんだ上に3ヶ月や半年で死んでしまうとおっしゃる。だから早期発見のための検査も受けるな、とおっしゃるのである。


医者が手術や放射線や抗がん剤を勧めるのは、それをしないと医者の仕事がなくなるからであり、それに騙されてはいけないとおっしゃる。医者が余命何ヶ月とか何年とか言うのは嘘だ、まやかしだとおっしゃる。


なるほどと思うところがある反面、ほんとかいな、とも思ってしまう。いざ癌になった時に近藤先生を信じて、治療をせずに放置することが出来るかどうか、自信がない。(2015/12/16)


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