2016-02-18
868) 2:6:2の原理
若い頃、2:6:2の原理という話を聞いたことがある。
人事考課制度の研修でも聞いた。
集団で一つの仕事をすすめると
2割の人は良く働く、6割は普通に働く、2割は怠ける、
というような話だったように記憶している。
人間だけでなくそれは動物全体に通じる現象だそうだ。
古い記憶だから正確には覚えていないが・・・
例えば働きアリの世界でも2割程度は働かないアリがいる。
そこで勤勉なアリだけ抜き出してグループを編成してみると、
やっぱりその中から2割程度の怠けアリが出現する。
私の認識は根拠もあやふやだし、いい加減なものである。
そんなところに面白い研究結果が発表された。
発表したのは北海道大学などの研究チーム。
アリのコロニー(集団)を観察した結果、
働かないアリは働くアリが疲労した時の交代要員であると突き止めた。
以下は毎日新聞の「余禄」欄から引用したその要約である。
〇最初に働いていたアリが疲れて休むようになると、
今まで働いていなかったアリが働き始めた。
〇働くアリだけの集団は一斉に疲れて働けなくなり、滅びてしまう。
〇一見非効率な働かないアリは集団の長期的保存には欠かせぬ存在だった。
〇シミュレーションでは、働き度合いがばらばらの集団の方が、
勤勉なアリだけの集団より生き残りに有利なことも分かった。
最後に余禄は中国の思想家「荘子」の言葉をひいて以下の通り結んでいた。
「人は皆有用の用を知るも、無用の用を知る莫(な)きなり」。
役立たずと思われるものにも大事な役割があるという荘子である。
(2016.02.18)