955) 不安
イスラム世界はシーア派だ、スンニ派だ、クルド人だと争いが絶えない。シリアやイラクの内乱はいつ治まるとも見通しがつかない。それにつられてか、世界中がそわそわと落ち着かない。いつかどこかで大きな爆発が起きないかと心配だ。
イスラム過激派による自爆テロは次から次に起こるのでもう覚えられない。世界中で年間何回起きているのだろうか。そしてそのイスラム戦士予備軍はアラブやアフリカから移民した若者の中から次々に供給されているらしいから絶えることがない。
仏ニースでのトラックテロは少し様子が違うようだ。革命記念日、リゾート地、花火大会の人出。無防備な群衆の中に猛スピードで突っ込んでいったレンタカーのトラック。死者84人。これまでのテロと違って、イスラム過激派が組織的に関与したものではなさそうだ。その点では安心だが、頭のいかれた個人が起こした事件ならそれはそれで怖いものがある。トラックという誰でも扱える身近な凶器。予測がつかない個人の突発的な犯罪。社会の何かに不満を持つ個人が突発的にこんな事件を起こすとしたら恐ろしい。
トルコではクーデターが発生した。政情不安定なあの地域ではトルコは最も安定している国のはずだ。クーデター自体は失敗し、短期間のうちに鎮圧された。しかし大統領の強圧的な統治姿勢が、さらに反発を生むのではないかとも懸念されている。中東地区はますます不安定の度を深めるのかもしれない。
アメリカでは白人警官が黒人を射殺する事件が相次いでおり、これに報復するために黒人が白人警官を射殺するというショッキングな事件が起きている。米国内での人種差別問題は深刻な事態を迎えているようだ。加えるに火に油を注ぐような、大統領候補トランプ氏の過激な言動。
中華思想を丸出しの中国は、領土、領海問題でごり押し、世界中の反発を呼んでいる。戦艦や戦闘機同士の偶発的な接触という事態だってありうるかもしれない。
さらに北朝鮮はミサイル発射やら核実験やらやりたい放題で止める手立てがない。
世界の何処かで、ドカーンと大きな爆発音が轟かないように願っている。(2016.07.19)