1068) 自衛隊
今朝の新聞に刺激を受けて、自衛隊のことを考えてみた。
自衛隊の母体は何回か名前を変えた。最初は警察予備隊と呼ばれ、保安隊と名前を変え、最後に自衛隊が誕生したという記憶がある。警察予備隊や保安隊の時代はいざ知らず、少なくとも自衛隊になってからは、自衛隊は軍隊であり、戦力であるというのが私の認識である。そして我が国にとって、その存在はやむをえざるものと考えてきた。
ところが憲法9条の規定である。
『9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。』
この条文を私の読解力で読むと、どう読んでみても自衛隊は明らかに憲法違反の存在である。
世の中では、憲法9条の定めと現実に存在する自衛隊との整合を図るために様々な説明がなされてきた。しかしその説明のどれもが私の納得できるものではなかった。ずーっと長いこと腑に落ちない思いを抱いてきた。国の根幹である憲法からして嘘で固まっていていいのだろうかと思い続けていた。
今朝の新聞によると、自民党がようやく重い腰をあげた。自民党憲法改正推進本部が、今後の議論のたたき台を発表した。現行9条はそのままにして、別立ての「9条の2」を新設して、自衛隊を認める文言を入れるという。
『9条の2 前条の規定は、我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織として自衛隊を設けることを妨げるものと解釈してはならない。 (2項省略)』
9条2項を削除したら論理的にはもっとすっきりするのだろうが、一歩一歩進まざるをえないのだろう。これで自衛隊が違憲の存在とは言われなくなることだろう。色々と難しい問題も横たわっているだろうが、是非ともすっきりした憲法条文にして欲しいものだ。(2017.06.22)