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てげてげブログ
2017-10-17

1118) しかる

昔、尊敬する会社の先輩から教えられたことを思い出している。「部下をしかる時には、逃げ道を用意しておいてしかれ。決して逃げ場のない状況に追い詰めるようなしかり方はしないように。」と酒杯を傾けながらその先輩は教えてくれた。


『聞いた人が身震いするくらい怒られていた』と題する、今朝の朝日新聞デジタルの記事が、そんな昔のことを思い出させてくれた。以下はその記事の抜粋である。

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福井県で自殺した中学2年の男子生徒は『担任や副担任から再三しかられ、「死にたい」と漏らしていた。町教委は15日、有識者らでつくる調査委員会の報告書を公表。生徒が逃げ場を失い、追い詰められていく状況が詳細につづられていた。』

『調査報告書は男子生徒の自殺の理由を「関わりの深い担任、副担任の両教員から立て続けに強い叱責を受け、精神的なストレスが大きく高まった」「・・・事態が好転せず、絶望感が深まり、自死を選択したものと考えられる」と判断した。』

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両教諭は他の生徒のいる前で「身震いするくらい」激しく怒ったという。それが度重なり、生徒は土下座しようとしたり過呼吸の症状が出るほどに追い詰められていたらしい。


生徒会副会長をしていたというから、人望の厚い優秀な生徒だったのかもしれない。それだけ教師の期待が大きかったのかもしれない。厳しい指導で大きく育てるつもりだったのかもしれない。しかし動機はどうであれ、こういう結果を招いてしまった。教師2人はこれから先、今まで通り教師の職を続けられるのだろうか。


企業内での指導やしかり方も同じだ。同じ指導をしても、その受け止め方は人それぞれに違う。厳しい指導が効果的な社員もいれば、それに耐えられない社員もいる。指導する者とされる者の相性の問題もある。

しかり方は難しい。しかし、どんなことがあっても逃げ場のない状況に追い詰めてはいけないという先輩の言葉を噛み締めたいと思う。(2017.10.17)

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