1130) 男の料理 Ⅲ
庭に柿の木が1本植わっています。家を建てた時に植木市で苗を買ってきて植えたものです。10年程前までは大きな美味しい実をつけていました。隣近所にも配って喜ばれたものでした。それが30年も経ち、すでに老木の境に入ったのでしょうか、近年はあまり実をつけなくなりました。枝も切らず、手入れもせず、肥料もやらず放置していたのが悪いのかもしれません。
ところがどうしたことか、今年は結構沢山の実をつけたのです。熟してボタボタ落ちる前に千切りました。昔に比べると小ぶりの柿の実ですが、食べてみると昔のまんま美味しいのです。大きい実を選んでお隣さんにおすそわけしました。お隣さんからすぐにお返しが届きました。貸農園で収穫したというりっぱなサトイモです。ウーンと唸りました。折角の貰い物をほったらかしたまま腐らせるわけにはゆきません。
久し振りに男の料理に挑戦したのはそのためです。レシピ本の中からサトイモを多く使う「筑前煮」を選びました。近くのスーパーに走って、鶏もも肉、れんこん、ごぼう、こんにゃく、にんじんを買い揃えました。レシピの中にあった干ししいたけ、ゆでたけのこ、きぬさやは無視して使わないことにしました。
材料の皮をむいて、適当な大きさに切りました。レシピ本に書いてある通りに、酢水につけたり、塩もみしたり、下ゆでしたりと、必要な下ごしらえをしました。鍋にサラダ油を熱し、鶏肉を入れて強火で炒め、肉を一度取り出してから、ごぼう、にんじんを入れて炒め、その後、他の野菜やこんにゃくを加えて炒め合わせます。先程取り出した鶏肉を戻しいれて、酒やだし汁、砂糖、しょうゆで味付けします。煮立ったところではい出来上がりです。
筑前煮だけでは寂しいので、スーパーから刺身の盛り合わせを買ってきて、食卓に付け足しました。美味しい、美味しいと家内からも褒められました。その上お隣さんに実感をもって「美味しかった」と堂々とお礼を言えるのが嬉しいことです。(2017.11.13)