2018-07-30
1204) 台風12号
台風12号は、余程の偏屈者だったに違いない。
日本に近づいた台風は西から東に向かって進むのが常識だった。
ところが12号は東から西に向けて今までのコースを完全に逆走した。
関東に上陸後、東海、関西、中国地方を経て九州にやってきた。
こんな進路を辿った台風に出会ったのは、私の記憶の中で初めてである。
未経験の現象、未経験の被害が発生するかもしれない、と大騒ぎされた。
厚い雨雲を伴い、地域によっては豪雨が襲いそうだとも報道された。
厳重警戒しながら台風の襲来を待った、家じゅうの雨戸をきっちり閉めて寝た。
しかし昨夜の夜中、一晩中、風の音も雨の音も嘘のように静かだった。
そして今朝の空は晴れていた。
日本全体の被害が少なかったことを喜ぶべきだが、拍子抜けのする台風でもあった。
台風の進路は、高気圧、低気圧、偏西風や寒冷渦等、周囲の環境に左右されるらしい。
12号の逆走も、高空にある寒冷渦の影響によるものだと解説されていた。
ならば科学の力で、台風を都合の良い方向へ誘導することは出来ないのだろうか。
小さい頃から、台風が来るたびに思ってきたことである。 (2018.07.30)