2020-05-11
1225) 歩く
年を重ねるにつれていよいよ遅くなってきた。
顕著に感じるのは、朝の通勤時、小倉駅から会社まで10分間の道のりだ。
毎朝、大勢の勤め人が、黙々と、同じ方向に向かって、急ぎ足で歩く。
男女、性別に関係なく、たくさんの人が次々に私を追い抜いてゆく。
負けまいと急ぎ足を試してみるが、脚の筋肉が痛くなって続かない。
ビルのガラスに映った自分の姿を横目で盗み見する。
前かがみ、ちょこちょこと小股で歩く老人の姿がそこに映し出される。
いけねい、いけない、背筋を伸ばし胸を張って大股で、と自分に言い聞かせる。
しかしそれも長くは続かない。
いつの間にかまた狭い歩幅と前かがみ、老人の歩行姿勢に戻っている。
テレビの宣伝に誘われ、サントリーロコモアなるサプリメントを飲み始めた。
いまだ顕著な効き目があるようには感じない。 (2020/5/11)