2020-05-26
1234)夕食宅配
突然訪れた独居生活には戸惑った、特に困ったのは毎日の食生活だった。
それまで、なにもかも妻に頼って、台所に立つこともない私だった。
鍋や茶わんが何処に収納されているのかも分からなかった。
野菜の処理の仕方も知らず、調味料の使い方も知らなかった。
その私がこの1年余り、飢えることもなく生き延びてくることが出来た。
簡単なレシピ本を片手に、中でも特に簡単な料理から、恐る恐る試してみた。
魚や肉を焼いたり、煮たり、炒めたりしてみた。
野菜を処理してサラダをこさえた。
冷凍物はよく利用した食材だし、お惣菜も頻繁に買ってきた。
徐々にペースを掴んだ頃に、知人から「夕食宅配」を勧められた。
月曜から金曜まで日替わりで夕食のおかずを配達してくれるという。
土曜、日曜は宅配休日で、せっかく慣れてきた自前の料理も続けられる。
何事もやってみないとわからない、モノは試しと申し込んだ。
そして昨日が宅配初日だった。
帰宅したら玄関の前に発泡スチロールの箱が置いたあった。
期待しつつ、急いで開けたら、中には保冷剤と弁当箱。
料理のメーンは「鶏肉の生姜焼き」その他「牛蒡の甘辛炒め」など5品目。
早速、ビールとワインを主役に、その脇役としていただいた。
味は良かったが、50年来続けたいつもの晩酌に比べ、分量は少なかった。
しかし、きちんとカロリー計算がしてあるということだし---
高齢者にとってはちょうど良い分量なのかもしれない。
もしかしたら、数か月後には---
お腹周りの脂肪がとれて、スリムな体型に変身しているかもしれない。
献立表によると、今夜のメーンは「さばの味噌煮」となっている。
(2020/5/26)