昨日は珍しいことがあった。柄にもなくコンサートに行ったのである。コンサートの名前は「フェッロ・マンドリーノ北九州：第79回定期演奏会」。

　私は普段、音楽とは縁もゆかりもない生活を送っている。その私がコンサートに行ったと聞いたら知人は目を白黒するかもしれないので、その経緯を記しておく。

　先日安川電機時代の友達と久方ぶりに飲んだ。その友達がマンドリンクラブの古くからの会員だったのだ。定期演奏会があるから行ってみてくれと、チケットを5枚ももらった。会社の人たちに配ったら、幸いにも5人が集まった。

　誘った私が欠ける訳にも行かず、当日は気がすすまぬまま出掛けた次第。

　初めは気が進まなくても、行ったら行ったで楽しいものだ。演奏者は約50名、プログラムは3部に分かれ、まるまる2時間のかなり本格的なコンサートだった。マンドリンの綺麗な音色に音痴の私でも酔わされた。

　奇妙なことに私を誘った楽団員の友達が、目を皿にして舞台を探しても探してもいないのである。「誘った本人が欠席とは失礼だ」と次第に怒りがこみあげてきた。コンサートが終わるや否や彼の携帯に電話した。電話に出た彼は、家で転倒・骨折して、ちょうど病院に入院しているところだという。

　拍子抜けがして、主役を省いた5人全員で飲んで帰った。

　　　　　　　　　　　　　　（2023/9/25）