数日前、東京駅の近くのビル建設現場で、クレーンから鉄骨が落下する事故があり、死者が出たという痛ましいニュースが流れていた。

　ニュースを聞きながら、自分の身近ですすむビル建設現場のことを思い出した。私の身近でも、事務所と道路を挟んだ向かいに、二つのビルが建設中である。一つはマンションだ。先日、建設用の覆いがとれた時にはすでに外観がほぼ出来上がっていた。覆いの中で下の階から建築し、次第に積み上げていったようだ。

　もう一つのビルは13階建てのオフィスビルで、この近辺では一番高いのっぽビルになる。こちらの方はマンションと違って、クレーンで鉄骨を釣り上げては上の方で組み立てている。長く伸びたクレーンの先端に、大きな鉄骨が吊り下げられて高所を移動する光景は下から眺めると恐ろしい。また、地上の運転席から、ウン10メートルも離れた所にある、ワイヤで吊り下げた鉄骨の微妙な位置調整をしている運転手さんの技量には驚くばかりだ。

　今朝、小倉駅のペデストリアンデッキからふと建設現場の方を見たところ、組みあがった鉄骨のてっぺんに小型のクレーンが乗っかっていた。重たいクレーンをてっぺんに上げる方法はあの大きなクレーンしか思い当たらない。クレーンでクレーンを吊り上げる姿を見てみたかった、と少し残念だ。これからは屋根の上の小型クレーンで建築資材を吊り上げるのだろう。事務所にいながらにして、色々なビル建築のやり方が眺められて面白い。

　　　　　　　　　　　　　　（2023/9/26）