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てげてげブログ
2023-11-16

1375)わるいしらせ

 私には3人の息子がいる。3人とも東京に住まっている。普段は会えないので、連絡は電話でのやり取りが主だ。中でも長男はよく電話をくれる。特別の用事がない時はほぼ毎晩、電話機が鳴る。彼が最初に発するのは「元気?」「変わりない?」という短い問いかけだ。世の中には老人の孤独死というニュースも多いし、無事を確かめているのだろう。その気持ちが親としては嬉しい。


 ところが、先日の電話では、最初に「あまりいい知らせではないんだけど」という前置きがついた。ドキッとした。過去にもこの前置きがついたことがあった。これが3回目だ。

 最初は人間ドックで肺癌が見つかったという思いもしないショッキングな知らせだった。この時は手術をし、肺の一部を切除して乗り切った。

 2回目は脳腫瘍の疑いだった。その設備のある病院でガンマーナイフ療法という放射線治療を受けた。同療法では根治できずに抗癌剤を服用しているとは聞いていたが、術後は好きなフットサルをやったり、地域の少年野球のコーチをやったり、以前同様元気にしていたので、病気のことは忘れていた。

 ところが今回のしらせである。新たな脳腫瘍が出来ているようだという。前回と同じ放射線療法を受けることになるだろうともいう。


 余命短いこの老人が代わりに癌のもとを引き受けてやりたいと思う。しかしそれは出来ない相談だ。ただただ、手術の成功と息子の無事を祈るしかない。

              (2023/11/16)

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