事務所のあるビルの前には常時2～3台のタクシーが停まっている。妻の病院に行く時はいつもそのタクシーを利用している。昨日は所定の場所には1台しか停車していなかった。しかもドライバーが不在だった。不審に思いつつ暫く待っているうちにドライバーらしき高齢の男性が走り戻ってきた。その方向にはコンビニがある。ぴんときた。

　「いやー、お待たせしました」「いえ、いえ、おトイレでしたか」「年とるとおしっこの我慢が出来なくなりましてですね」「そうですよね。私もしょっちゅう行ってますよ」

　そんな会話から始まって、病院に着くまでの10分ほどの間に、タクシードライバーの生活の一部をあれこれ聞かせてもらった。その話題の一つ。

　このドライバーは現在74歳だが、80歳までしかドライバーが出来ないらしい。法的な規制があるのか、会社の決まりなのかは判然としなかった。まだまだ運転は出来るのに・・というドライバーの残念な気持ちだけがひしひしと伝わってきた。しかし乗客として考えると、あまりに高齢のドライバーには不安を感じるだろうな、と思ったが、そういうことは口に出さなかった。

　　　　　　　　　　　　　　（2024/06/04）