
2025-09-04
2080)新浪氏
同氏は著名な経済人であり、経済同友会の代表幹事や政府の各種委員も務め、その率直な正論は大きな影響力をもっていた。その新浪氏が同友会の定例記者会見で何を言うか、関心をもっていた。「違法なことはしていない、今後のことは同友会や政府の判断にまかせる」といった内容だった。ならばサントリーの会長をこそ辞めずに、自らの正当性を主張するのが普通である。氏の主張は一貫しないような気がした。
サントリーでは事件の報告を受けたあと、「新浪氏を除く全取締役、全監査役で緊急ミーティングを行い、『新浪氏は、経営陣として求められる資質に欠く』という結論に達し、『辞任についての協議』を行った。その結果、鳥井社長と新浪氏が話をし、新浪氏から辞表届を受理したと報道されている。詰め腹を切らされた訳だ。
二つのことを想像してみた。一つは新浪氏が会社の中で非常に嫌われていたのかもしれないという想像だ。社長や会長が、常に舌鋒鋭く正論を主張していたら、下のものはやりきれないものだ。新浪氏はそんな社長・会長だったのかもしれない、だから全員一致で会長に辞任を迫ったのかもしれないという想像である。
もう一つは、力を持ち過ぎてしまった、よそ者の新浪会長から、創業家である鳥井/佐治家に全権を取り戻すための力が働いたのではないか、という想像である。
推理小説の読みすぎかもしれない。部外者にはどうでもいいことではある。
(2025/09/04)