2009-02-16
36)ワークシェアリング 09.2.16
前の土曜日には病院のはしごをした。まずは内科。高血圧に不整脈、子供の頃から付き合ってきた喘息が主な病名。そして泌尿器科。年寄りにはつきものの前立腺肥大。いずれも4週間おきに検査を受けて薬を貰う。死ぬまで一生涯続く行事になるのだろう。朝一番に出かけて、終わったのは昼だった。待合室の週刊誌が待ち時間の退屈を救ってくれた。
週刊誌の話。この前まで「派遣切り」という言葉が氾濫していたが、最近の週刊誌によると事態はもう「正社員切り」というところまで進んでいるらしい。それを発表ないし予定しているところとして、ソニーやパナソニック等の有名企業を含む企業名が20~30社並べてあった。歴史は繰り返すと言うが、またまた大変な時代が到来するようである。
期限のない雇用契約を結んでいる正社員の場合には、希望退職とか早期退職優遇制度とか、ゆるやかな人員縮小策が採用されるのだろうとは思う。しかしこの不安の多い時代に退職の途を喜んで選択する社員はほとんどいないはずである。そこにはやむにやまれぬ苦渋の選択が待っているのだろうと思う。
労働力過剰とか人員削減とかいう事態が表面化すると、必ずワークシェアリングという言葉が登場する。少ない仕事をみんなで分け合って働こうじゃないかということだろう。単純に言うと、例えば現在8時間働いている人は6時間だけ働いて、その分収入が減るのを我慢しよう、その費用で仕事を失った人、あるいは失おうとしている人を雇用してあげようということだろうと理解している。
総論としては美しいお話にしても、これまでいつも掛け声だけで終わってきた。今仕事に就いている人は、他人のために自分が収入減になることを歓迎しない。労働組合は組織する組合員の利益代表である。自分の組織外の人のために大事な組合員を犠牲にすることには反対する。というのが現実であり、これまで実現せずに来た。
今回はあの有名人、日産のゴーンさんもワークシェアリングを唱えていると聞く。しかし一方では、これほどに雇用不安が渦巻く経済・社会の中にあってもなお、労働組合は組合員のためにベースアップを要求しているという現実がある。ワークシェアリングは今年もまた言うは安く、行うは難しということになりそうなそんな気がしている。