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てげてげブログ
2011-06-30

305) 中原の虹

  浅田次郎という作家が大好きである。文章が読み易い、筋書きが面白い、そして登場人物がことごとく善人である。怖いやくざ者も、浅田次郎にかかると根は善人になる。だから読後感がさわやかである。文庫本になった小説は殆ど読んでいるのではないかと思う。

  いつもの本屋の店先に、浅田次郎の新しい文庫本が出ていたので買ってきた。「中原の虹、1~4巻」。中国の清王朝の成立から崩壊までを舞台にした長編である。

  この小説だけは読むのに苦労した。時代が前後して語られる、登場人物の名前が難しい、複雑な時代背景がよくわからない、何処までが史実でどこからがフィクションなのか・・・。
  何回も諦めかけたが、これまでの浅田次郎への義理からそうもいくまいという気持ちがあった。読み疲れたら、途中で他の本を挟んで、忘れた頃にまた読み始める、という調子で数ヶ月かけてともかくも4巻全部を読み終わった。読了したという満足感だけが残った「中原の虹」だった。中味はあまり頭に残っていない。(2011.06.30)

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