朝から陽射しが強い。今日も暑くなりそうだ。今日から私もクールビズ、上着も脱ぎ捨て、半袖シャツに変身した。
　　長期気象予報では、今年の夏も暑いとか。それに加えて、今年は原発が稼動できず、夏場の電力不足が確実になっている。省エネのためにクーラーの温度も高めに設定することになる。暑い夏と効かないクーラー、これも仕方のないことであろう。

　　昔のことを思い出す。私が学校を卒業して社会に出たのは1965年のことである。入社した会社では、本社の事務所にすらクーラーがなかった。設置されたのは入社して数年たってからである。時を経て今では製造現場にも空調が行き届いている。

　　夏の事務所は暑かった。窓を開ければ風が入ってきて、いくらかしのぎ易くなった。そのかわり机の上の書類が飛び散って大騒ぎ、上司に怒られたりした。結局暑い中、窓を閉め切って、汗をかきかき仕事していた。汗をかいた腕とスチールデスクの接触が気持ち悪かった。

　　各人それぞれ、机の上におしぼりを用意していた。洗面所の水で濡らして首筋を拭くと、その瞬間だけはいくらか涼しい思いが出来た。何回もそうしているうちに、夕方にはおしぼりがなんとも言えない臭いを発するようになった。
　　中には、乾電池で回るおもちゃのように小さな扇風機を持参して、首筋に風を当てている、すすんだ女性もいた。

　　昔の思い出である。思い切ってあの頃に返ると思えば、相当な省エネが出来るだろう。今年の夏、少なくとも私の家では、クーラーを我慢して自然の風と扇風機主体で過ごそうかと思っている。（2011.06.24）