2011-06-09
299)老い
今朝、電車の中で開いた「老いの才覚」。そこまでは割り切れないな、とか自分にはそれは出来ないな、というような記述も少なくはありませんでした。著者の曽野さんは私より11年先輩、それだけ長い人生を歩んでいらっしゃいます。その年になったら私も変わっていて、同調できる部分がもっと増えるかもしれません・・・。
勿論、なるほどと感じ入る内容も沢山ありました。今朝読んだ中から二つほど転記してみます。
『老年は、一つ一つ、できないことを諦め、捨てていく時代なんです。執着や俗念と闘って、人間の運命を静かに受容するということは、理性とも勇気とも密接な関係があるはずです。諦めとか禁欲とかいう行為は、晩年を迎えた人間にとって、すばらしく高度な精神の課題だと私は思うのです。』
『自分にとって何が大事なのかを見きわめて、いちばん大事なことから順序をつけてやっていく。だいたい五つくらい決めてあっても、上位の二つくらいできればいいほうです。三つできたら、すごく幸せで、あとはさらりと諦める。年をとるとともにそれがうまくなって、やり残しがあっても嫌な気がしません。・・・・・そういうふうにして、私は、まあ、ほどほどに生きてきました。』
あと何年生きるのかを知りません。しかし年々老いてゆくことだけはたしかです。周囲に迷惑をかけずに、さらりと美しく老いたいものだと思います。(2011.06.09)