数年ぶりに会った友人に「まっしろになったな～」と言われた。髪のことである。自分ではここ数年、何の変化もないと思っていたが、その友人の記憶にある数年前の私の頭には黒い髪がいくらか残っていたらしい。

　　今、鏡で見る私の頭髪は真っ白である。後頭部、首のところにいくらか黒い毛が残っているらしいが、自分では見えない。昔を思い出すと、私の髪は白くもなったが、おとなしくもなった。昔はごわごわとしたくせ毛だった。始末に困るほど量も多かった。最近は軟くて素直な直毛に変わった。量も少なくなった。歳をとれば、人間と同様に髪もカドがとれていくものらしい。

　　自分では、頭髪の白いのはとんと気にならないが、眉毛の中の白いのはかなり気になっている。最近、眉毛の中に白い毛がかなり目立ち始めたのである。困ったことに白毛は伸びるのが早い。油断していると、いつのまにか「村山元総理」みたいな眉毛になってしまう。

　　散髪に行く度に眉毛を切ってもらっているが、月1回の床屋では間に合わないくらいだ。
　　身体のあちこちが成長を止め、衰え始めたこの時期に、眉毛だけは成長を早めているようだ。そう言えば、手足の爪が伸びるのも早くなったような気がする。鼻毛も伸びるのが早い。不要なところだけが成長している。加齢の現象も面白いものだ（2012.10.25）