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てげてげブログ
2012-02-22

374) シロが泣く

  お昼にお世話になる、なじみの定食屋さんでは常時ラジオがかかっている。今日は猫の日だとかで、猫にちなんだ放送をやっていた。なんで猫の日なのかと思ったら、なんでも2月22日で、にゃんにゃんにゃんだとか、つまらぬ語呂合わせによるものらしい。その伝でゆくと1月11日か11月11日はわんわんわんと犬の日だろうか。

  ラジオを聞きながら思い出したのは、我が家の愛猫、シロのことである。シロは本来静かな大人しい猫である。我が家の一員になって20年近く、これまであまり鳴き声を聞いたことがなかった。

  そのシロが最近、大変身したのである。一日に何回も、何回も喉が張り裂けるような大きな胴間声で鳴くのである。ミャーオ、ミャーオ、ミャーオ・・・・・。鳴く場所は決まっている。台所から洗面所にかけて、薄暗くて私達の目につかない場所がその指定席である。

  シロの息子トラが亡くなったのは1月14日だった。もう1ヶ月あまりがたつ。妻が言うようにシロは突然にいなくなった息子を必死になって呼んでいるのかもしれない。呼んでも呼んでも現れない息子に向かって、鳴くというより泣いているのかもしれない。

  その泣き声を聞いていると切なさが込み上げてくる。トラを特別に可愛がっていた妻はなおさらのことでろう。シロが泣いている間、妻は少しく精神の安定を欠いているかに見受けられるのである。(2012.02.22)

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