毎日乗降する小倉駅。改札口から出た2階部分が、広々とした駅前広場になっており、こういう構造をペデストリアンデッキと呼ぶらしい。そのペデストリアンデッキで常時流している街頭放送がある。毎朝夕聞かされるのでどうしても耳に残ってしまう。

　　放送の中味まで細かく記憶しているわけではない。なんでも小倉駅周辺は「迷惑行為防止条例」とかの重点地区になっているので、ゴミのポイ捨てや喫煙などの迷惑行為をやめましょう、という趣旨だという程度のことは記憶している。

　　以前からやっていたその放送の中味が最近変わったのである。日本語の放送の他に、韓国語や中国語が加わった。北九州市には外国人が多いから、それはまあいい。気に食わないのは、その日本語放送のナレーションである。
　　放送が変わったその日から違和感を感じていた。それを毎朝、毎夕、否応なく、頭上から聞かされる不快感・・・。

　　何が不快なのかというと、その思い入れたっぷりのアクセントである。「違反すると条例違反で1000円の罰金が課されます」とか「みなさまのご協力をお願いします」という言葉を、ねっちりと思い入れたっぷりに放送するのである。
　　さも恋人に愛を囁くようにと言ったらいいだろうか。ひょっとしたら、詐欺師がありもしない儲け話で他人を騙す時にはこんな語調になるのかもしれない。あるいは相手の機嫌をとったり、話とは違う下心を隠し持っている時にはこんな語調になりそうな気がする。
　　乾いた内容の放送である。もっと爽やかに、あるいは事務的な語調でやってもらいたいと思うのだが、いかがなものだろう。

　　そんな話をしていたら、あの放送はなんとかいう有名な声優が吹き込んだものだと教えてくれる人がいた。北九州市もつまらんことに税金を使うもんだと一瞬思ったものである。　
　　衆議院解散、総選挙間近。国の行方がどうなるかというこの大事な時期に、どうでもいいような話でスンマセン。（2012.11.19）