昔からビジネスバッグに強い関心を持っている
なかでも革製のものがいい
若い頃には形も色も様々なビジネスバッグを使った
複数のバッグを日替わりで使った時期もある
ダレスバッグを提げて通勤したこともある
あれは若い私には不似合いだった・・・と思う

10年前、定年退職祝いに長男がバッグを贈ってくれた
折角のことだし、前々から欲しいと思っていたバッグを指定した
博多のデパートの陳列棚に並んでいたものである
購入する決断のつかぬままに眺めていたものでもある

こげ茶色の革製で合成皮革の縁取りがある手提げバッグだ
袋状で中仕切りがないため大きな物を突っ込めて便利がいい
姿形といい、使い勝手といい、すっかり気に入ってしまった
以来10年間、浮気もせずに毎日このバッグを使い続けている
それまでのバッグの大部分は廃棄処分にしてしまった

10年も使い続けるとさすがに角の辺りが擦り切れてきた
その傷もまた貫禄がついたようで悪くはない
惚れてしまったらもう「あばたもえくぼ」である
私もあと何年働けるかわからない
働ける間はこのバッグに相棒を務めて貰おうと思っている
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（2013.10.24）