2013-11-05
493) 昼間の酔っ払い
ビルは「平和通」という大通りに面している。
私の席は大きな窓の窓際にある。
車や人の通行がひっきりなしで見ていて飽きない。
道路を挟んだ向かいのビルは銀行だ。
今日のお昼前、ふと窓外に目を転じた。
銀行出入り口のすぐ横に男が座り込んでいた。
仕草の一つ一つが酔っ払いを思わせた。
銀行の警備員がしきりに説得している様子だ。
いくら促しても、男が動く気配はない。
警備員は説得を諦めたか、行内に入った。
ほどなくしてパトカーがやってきた。
二人の若い警察官が降りてきて男を説得し始めた。
警官は目線の高さを揃えるためにしゃがみこんだ。
それでも男はいっかな動こうとはしない。
警察官の一人が電話をかけはじめた。
誰かに指示をあおいでいる様子だ。
人権尊重の世の中で、強行措置はとれないだろう。
ならば警察官はどんな始末をつけるのだろうか。
事の成り行きに興味が湧いた。
決着までにはまだまだ時間がかかりそうだ。
そうこうするうちに昼休みのチャイムが鳴った。
食事に出、うどんを食べ、急いで席に戻った。
酔っ払いも、警察官も、パトカーも消えていた。
警察官の見事な(?)始末を見損なってしまった。
(2013.11.05)