来春、孫娘が大学を受験する。工学部に進学してロボットを研究したいという。リケジョ志望である。

彼女の合格祈願のために、近いうちに太宰府天満宮にお参りしようと夫婦で話していた。昨日は天気が良かった。特別に用事もなかった。妻の提案で、お参りに行くことにした。

車で出かけた。神社の周りは車の列で埋まっていた。駐車場にはどこも満車の札が下がっていた。駐車場一帯をぐるぐる回りながら、空くのを待つ。たまたま出てゆく車、偶然を待つようなものだ。そして漸く、神社からは相当離れた臨時駐車場に車を停めることが出来た。

どうしてこんなに人出が多いのか、首を傾げながら参拝客で賑わう境内に入った。境内には『特別受験合格祈願大祭』という掲示が大きく掲げられていた。

10月1日から31日までは『特別受験合格祈願大祭』の期間なのだという。学問の神様、菅原道真公が33歳の若さにして、学者として最高の位であった文章博士になられたのが、10月18日だったことにちなんだものだそうだ。

何となく疑問が解けたような気になった。この期間にお参りすれば、普段よりも効果が大きいと考えた受験生や親兄弟が押し寄せたのだろう。受験競争の激しさで有名な韓国からの祈願者も多いと聞いた。

思いがけずそんな特別期間に巡り合せて、孫娘の合格が近付いたような気分になった。合格祈願の絵馬をかけ、5人の孫にお守りを買って帰宅した。（2014.10.20）