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てげてげブログ
2016-08-29

978) 働き方改革

安倍政権の新しい目玉政策は「働き方改革」だという。今回の内閣改造に当たっては、新たに「働き方改革相」という大臣を新設した。


過去には地方創生担当相もいたし、1億総活躍担当相や女性活躍担当相・・・その時々の時代背景や誰かの思いつき(?)やで色々な担当大臣が生まれたり消えたりしているような記憶がある。


しかし専門の大臣をつくって政策を推進した結果、かくかくの成果を挙げてその役割を終えるのだ、という総括は殆ど聞いたことがない。まあ、直属の省庁を持たずに大した仕事が出来るはずもない。また大臣の椅子待ちの議員さんに対して、大臣の名前をつけてあげるための担当相だったらそれも仕方のないことではある。


さて、働き方改革とは何を狙っているのだろうか。新聞報道によると、課題に挙げられているのは、①長時間労働の是正、②同一労働同一賃金、③テレワーク(在宅勤務)、④高齢者雇用、⑤成果主義賃金(残業代なし)など多岐にわたっているという。これらはこれまでにも大きな課題として、労使で取り組んできた問題でもある。


長時間労働は過労死の問題と絡んで、近年、官民挙げてその解消に力を入れてきた。しかし人手不足の影響、長年の雇用慣行、残業代込みの生活費といった実態もあっていまだ解消には至っていない。上からの指示や依頼を断りきれない日本人の性格にも原因があるのかもしれない。


同一労働同一賃金は、理想としては美しい。しかし現実問題となると、何処から何処までが同一である必要があるのか、同一労働の判定がまず難しい。賃金の方は、労働組合の存在を考えると、非正規労働者の低い賃金を正社員の高い水準まで引き上げることになるだろう。そのコストアップに多くの企業が耐えられるかどうか(?)。


その他の在宅勤務、高齢者雇用、成果主義賃金のどれをとっても簡単に片付く問題ではない。しかも個々の企業にとっては死活に繋がるかもしれない問題だ。制度の改変には必ず負の反作用が伴う。「働き方改革」というまるで労働組合の運動方針かと思える安倍政権の目玉政策に、今後注意を払う必要がありそうだ。(2016.08.29)

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