東京に住まっている息子夫婦の招きで京都に旅してから数日が経過した。すでにして記憶があやふやになってしまったところも多い。嫁の智子さんが旅行前に作ってくれたスケジュール表を手元に置きながら、備忘録として簡単な旅日記を残すことにする。

3月25日（土曜日）

新幹線のぞみ156号（9：10小倉発→11：43京都着）で京都へ。

ホームでは先着していた息子夫婦が出迎えてくれる。荷物はポーターサービスなる便利なものを利用して宿泊予定の宿に届けてもらう。荷物なし、身軽な格好でいざ京都観光へ。

ＪＲ京都駅→ＪＲ太秦駅　⇒徒歩⇒　京福電鉄北野線撮影所前駅→妙心寺駅　⇒　徒歩⇒　レストラン。

昼食は　『ブラッセリーせき』　でフランス料理をいただく。美味しい料理につられて昼からワイン2杯。

徒歩で仁和寺へ。五重塔が有名。歩きながら、昔、中学の同窓会で御室桜を見に来たことを思い出す。染井吉野よりもだいぶ遅い時期に咲く、八重咲きの桜だった。

徒歩で龍安寺へ。有名な石庭を観る。土産物店で買い物。

タクシーで金閣寺（鹿苑寺）へ。池に浮かぶように金色に光り輝く仏閣。庭を散策、休憩所で抹茶をいただく。大勢の観光客が列をなして移動する様子は圧巻。中でも世界各国、外国人の多さが目に付く。20ヶ国位はいたかと思う。

徒歩で北野天満宮へ。来春大学を受験する孫の合格を祈念する。毎月25日は市が出るのだとかで参道は屋台でごったがえしていた。猿芸の見世物もやっていた。

観光地では外国人の多さとともに和服姿の若い女性の多さが目に付いた。あとでタクシーの運転手に聞いたところでは、大部分がレンタル衣装で、しかも半分以上は中国や韓国などの外国人だという。日本旅行のいい思い出になるのだろう。

タクシーで宿へ。泊まるのは古い街中、『京の宿　いしはら』　という京町屋を改装した旅館。細長い建屋の真ん中に中庭があり、大きめの亀が飼われていた。夕食がついていないので夕食は外へ。

夕食は串焼きの　『串くら本店』。美味しく楽しく飲んで食べた。

3月26日（日曜日）

宿の朝食には各種おばんざいが並んでいた。

地下鉄烏丸線で烏丸今出川駅へ。

京都御所見学。数多くの古い御殿や美しい池、手入れの行き届いた夥しい数の松の木が印象に残る。「蹴鞠の庭」というのがあるのが面白かった。今ならサッカー場だ。「紫宸殿」の中に置かれている天皇の御座「高御座」や皇后の御座「御帳台」は天皇の即位礼の時は、皇居に運ばれるのだとか。

地下鉄東西線で東山へ。琵琶湖疏水や疏水記念館を見る。疏水というのが飲料水だけでなく物流や発電の役目まで兼ねたものであったことに驚く。

昼食は　『南禅寺順正』　で京懐石。綺麗な庭を眺めながら、美味しい日本料理に舌鼓をうった。

南禅寺観光。有料の山門に登り、庭園を観、疏水橋で写真を撮る。

タクシーで銀閣寺入口へ。

商店街を覘きながら銀閣寺（慈照寺）へ。古びた趣のある仏閣、銀色でもないのに銀閣寺とはこれいかに？砂で作った富士山と荒海の簡素さが印象に残る。

休憩、お茶。私はぜんざいをいただく。元気回復。

哲学の道を歩く。途中の出店で綿のマフラーを記念に買う。

途中に安楽寺というお寺があった。安楽という名前に惹かれて行ってみたが拝観お断りという札がかかって門が閉められていた。たまたまそこにお客を乗せてきた人力車のお兄ちゃんが説明を始めた。横で聞いていると、後鳥羽上皇の女官であった松虫姫、鈴虫姫という二人の姫の悲しい物語があるお寺さんなんだとか。

タクシーで宿へ。

夕食は宿の近くの　『あるとれたんと』　というイタリア料理店。

夜、息子たち夫婦が部屋に来て遅くまで話す。

3月27日（月曜日）

京都駅で荷物を預ける。

ＪＲ奈良線で宇治駅へ。平等院鳳凰堂、宝物館見学。

極楽を夢見た藤原氏の栄華のあとを偲ぶ。

順番待ちの時間に宇治川の散策、神社参拝。

昼食は平等院の前のうどん屋で。珍しい茶うどんというのが美味しかった。

ＪＲで京都駅に戻る。

駅から徒歩で真言宗総本山、弘法大使空海がひらいた世界遺産の東寺へ。

最初に入った講堂では居並ぶ仏像の数の多さと迫力に圧倒される。

そこにある仏像について如来、菩薩、明王、天の違いを知らないのが悔しい。

金堂で薬師如来を拝し、五重塔の美しさに見惚れる。

3日間で万歩計は　　55000歩　　を刻んだ。

各地の桜が開花寸前だった。1週間遅ければ京の桜に出会ったかもしれない。

新幹線のぞみ43号（17：27京都発→19：53小倉着）で帰る。

見送ってくれた息子夫婦は12分遅い新幹線で東京へ。

お世話になりました。ありがとうさん。（2017.03.30）