2023-08-22
1321)三段峡を描く
三段峡には行ったことがない。雑誌に載っていた写真がきれいだったので、自分の筆で画用紙の上に写し取れないか、挑戦してみたものだ。左側の茶色っぽい高い崖と、右側に高くそそりたつ蒼っぽい崖、崖の間を静かに流れている清流、遠景には林と山。
自分なりにはこれで完成と、先生に見てもらった。先生は「崖の感じはよく描けている。清流の描き方にもう一工夫欲しい。それに近い木々と遠くの木々との描き分けが欲しい」とその場でさっさっと手を入れてくれた。
川が周りの景色を映し込んで静かに流れはじめた。ごちゃごちゃしていた林が生き返った。出来上がった絵を見ていると、先生の手が入ったことを忘れて、すべてを自分で描いたような気分になる。いつものように額に入れて机の横に飾った。三段峡の風景が私をみつめているようだ。
(2023/08/22)