2023-09-13
1336)妻のひとりごと
昨日の電話の様子である。「変わりなく過ごしていますか?」「お元気に過ごされていますよ。さきほどお風呂に入られました。」「面倒掛けますね、ありがとうございます。今は何をしていますか?」「お話をされていますよ。」「誰を相手にですか?」「おひとりで話していらっしゃいます。」「ああ、独り言をいってるんですね。」
最近、私の面会時にも、私を目の前にしながら、独り言の世界にいることが多くなった。お経のような平板な調子で、聞いても分からない言葉を喋る。時々「これからどうしようかね~」「忙しくなるね~」などという聞き分けられる言葉が混じるので、喜んで応答してみるが、またもとのお経の世界に戻ってゆく。
何か訴えたいことがあるのだろうか?うまく意思が伝えられずに焦っているのじゃないだろうか?私の対応に不満を蓄積しているのじゃないだろうか?それとも何かを伝えるという意思はなく、ただ声がでているだけなのだろうか?
こちらも色々と伝えたいことはあるのだが伝わらない。あの聡明だった、そして勝気だった妻がどうしてこんなことになってしまったのだろうか?
(2023/09/13)