書店で何故か目に入り、他の何冊かと一緒に購入した文庫本がある。「最後はなぜかうまくいくイタリア人」・・・書名に惹かれたのかもしれないし、あるいは表紙に描かれた漫画に惹かれたのかもしれない。

　著者の宮嶋勲氏はワインと食について執筆することを生業とし、年中、イタリアと日本の間を行ったり来たりしている人らしい。

　この本が面白かった。一気に読んだ。日本人とは異なるイタリア人の考え方や習性が面白く描かれていると同時に、著者のイタリア人に対する愛情が随所にうかがわれて愉しく読めた。

　また昔、何十年も前にイタリアを旅行した時の、あれやこれやの出来事が、「そんなことだったのか」と追体験できたのも良かった。

　目次を読むだけでも面白いので、いくつか拾ってみる。

・先に来た人ではなく、遅れた人に合わせるイタリア社会

・好きなことだけ楽しみ、嫌いなことは先延ばす

・どんな状況でも、しぶとく愉しみを見つける

・好き嫌い、美しいか醜いかで物事を判断する

・使えそうなコネは、とりあえず使ってみる

・列は絶対につくらない

　　　　　　　　　　　　　　　　（2023/11/21）