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てげてげブログ
2024-02-28

1439)徳川家永続の戦略

 今朝の電車の中、いつものように車中読書していてびっくりした。読んでいたのは『磯田道史と日本史を語ろう』という新書本。歴史学者の磯田氏が歴史の中のなぞ解きを目的に、各界の達人たちと対話した対話集である。本屋をブラブラしていてふと目に付いたものだ。

 その中の第3話、DNA解析を専門とする人類学者および遺伝学者との鼎談の中に思いがけない話、しかもなるほどなるほどの話があったのだ。そっくり引用させてもらう。


篠田(人類学者)「私はミトコンドリアを使って、徳川の正室・側室合わせて25人くらいのDNAを分析したことがあります。-----その時一番驚いたのは実は遺伝子ではなく骨格の方でした。側室の骨格はとにかく頑丈にできているんですよ。」

齊藤(遺伝学者)「骨がですか?」

篠田「骨がものすごく立派。そんなになよなよした人はいない。」

齊藤「でも美人なんでしょう?」

篠田「いや、それがそういう基準で選ばれていないようです。明らかに身体の丈夫さや健康にプライオリティが置かれている。一方で正室の方は、顎も細いし、身体のつくりも華奢でした。」

磯田(歴史学者)「それは面白いですね。徳川家で、養子以外で将軍の正室の子どもが将軍になった例は家光だけです。丈夫な側室にどんどん子どもを産ませる-----それが徳川家永続の戦略だったんですね。」


 なるほどである。長く続いた徳川の世は、それなりの工夫があってこそ実現したいうことか。それにしても、徳川将軍が何代続いたか忘れてしまったが、その中で正室の子どもは家光だけ、あとの将軍はみな側室の子どもだったというのには驚いた。

              (2024/02/28)

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