若い頃、安川電機の傘下で3つの会社を興した。最初に起業したのは「安川ビジネススタッフ」という人材派遣の会社だった。その後、事業の拡大を図って、その子会社として「安川マニュファクチャリング」と、「ウイングメディカル九州」という二つの子会社を誕生させた。私が合わせて3つの会社の社長を兼ねていた時期もある。

　この3つの会社は、私の退職後それぞれ違う道を歩んだ。大本のビジネススタッフは売却されて今は人材派遣大手、パソナ社の一部門になっている。マニュファクチャリングは安川電機の製造部門を支える、重要な子会社として大きく育っている。そしてウイングメディカルは薬剤師の紹介を業とし、安川電機の枠から離れて自分の力でなんとか生き残っている。

　今日の夕刻、その一つ、マニュファクチャリングのOB会がある。私が社長を務めていた頃に、管理職として支えてもらったメンバーの会である。スタート当初は10人内外の会だった。長い間には何人かが亡くなり、何人かは病気で床に就いたままである。体調不良で宴席に出られない人もいる。今日の出席者は4人だという。寂しいけれど、それぞれの近況など報告し合いながら、杯を交わそうと思う。

　　　　　　　　　　　　　　　（2025/06/16）