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てげてげブログ
2009-08-24

84)圧勝 2009.8.24

  一昨日の毎日新聞トップ。『 民主 320議席越す勢い、 自民 100議席割れも 』という衝撃的な見出しが躍っていました。民主党は比例区の候補者数が足りなくて、当選者の権利を他党に譲らなければならない事態も予想されるという記事さえもがありました。多少の差はあっても、他社の世論調査の結果も民主党圧勝という構図にかわりはないようです。
  4年前の小泉選挙と全く逆の現象です。あの時は他の重要案件は棚上げにして、郵政民営化是か非かだけを争点に、小泉さんが風を吹かせました。刺客の話題が賑やかでした。郵政民営化がどんなものか、自分達にどんな影響を与えるのかも分からないまま、国民は小泉さんに大勝利をプレゼントしました。(そして郵政民営化実施。これさえやれば全てがうまくいくようなことを言っていた人がいたと思いますが、世の中どう変わったのでしょうか。田舎の郵便局が閉鎖されたとか、コンビニと郵便局が同居したといった話題以外には何がどう良くなったのかちっともわかりません。もしかして、あの人は不世出の詐欺師だったのかもしれないと思ったりします。)

  そして今回は政策の中身よりも、政権交代を実現するか否か、が最大の争点になっているような気がします。民主党にも一度政権をとらせてみよう、自民党には一度お灸をすえてみよう、そんなことで圧倒的に民主党有利の風が吹いているように思います。

  昔の中選挙区制の頃は、勝ったといい負けたと言っても、当選者の数に表れる勢力の変化はさほど大きくはなかったように思います。小選挙区制は一気に勢力がひっくり返るものらしく、そういう意味では恐ろしい制度だと思います。もっとも、小選挙区制は政権交代を実現させるために導入された制度ですから、自民党がだらしなかったら民主党へと、劇的な変化が表れているという点では、導入の目的どおりに機能しているということなのでしょう。

  しかし私は思うのです。何党であるにせよ、そんなに圧勝させたら、また妙なことになりはすまいかと。4年前がそうでした。小泉自民党は、その圧倒的な数の力を背景に、改革の名の下で、無理を通しました。そこでは受益者負担や自己責任や規制緩和という言葉がよく使われました。そして私達が今目にしているのは、後期高齢者医療制度を初めとする老人や弱者いじめと、ひどい格差社会。この国に、ちょっと前まで「一億総中流家庭」と言われた時代があったことが嘘のようです。

  圧倒的な力を与えたら、人間は必ず増長する。勝つにしてもテゲテゲがいい。テゲテゲだったら周囲に気を使うし、また周囲のチェックが効くから間違うことが少ない。これは私の信条です。
  民主党にとっても、ここで思いもしなかった圧勝を得てメタボになるよりも、テゲテゲ勝利の方が、長い目で見た党の健全な成長のためにはプラスになると思うのですが、いかがなものでしょうか。であったにしても、一度吹き始めた風はそう簡単には止まらないのでしょう。

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