テレビを点けっ放したまま、ぼんやり考え事をしていた。ふと、テレビから流れる音声に気を引かれた。炬燵の上にあった広告紙を裏返して、メモした。メモしたのが途中からだったので、正確に写し取れたかについては自信がない。人の生き方について「は・ひ・ふ・へ・ほ」の言葉でまとめたものだった。「てげてげ流」にも通じる感覚であり、印象に残った。

　　は　：　半分でいい　　（「半端でいい」　だったかもしれない）
　　ひ　：　人並みでいい
　　ふ　：　普通でいい
　　へ　：　平凡でいい
　　ほ　：　ほどほどでいい

　　人はどうして-----より多くを期待し、人並み以上を望み、高い評価を受けたがり、完全主義に陥ってしまうのだろう。あげくの果て、それがひどければ心の病を得てしまう。
　　人それぞれが多くを望まず「は・ひ・ふ・へ・ほ」で生きていけるなら、誰しも穏やかな気持ちを取り戻し、心の病はぐっと減少することだろう。
　　もっとも、それでは世の中があまり進歩しなくなるのかもしれない-----。