2010-10-22
216)マングースそしてオオカミ
一つは、19日の夕刊。沖縄本島や奄美大島で希少動物の生息を脅かしている外来種の「ジャワマングース」について、環境省がマングース探索犬や自動撮影カメラを使って生息場所を絞り込み、根絶を目指すという記事。
ジャワマングースは1900年代初めに、ハブやネズミを退治させようと、沖縄本島に持ち込まれたものだが、ハブはほとんど捕獲せず、希少種の野鳥ヤンバルクイナやアマミノクロウサギを襲うなど、生態系に深刻な影響を与えているとのこと。
やっぱしね、と思う。新しいことをする、何かでプラスの効果を出そうとすると、どこかで必ずマイナスの反作用が生まれる-----と私は思い定めている。人間の浅知恵では読みきれない、思いがけぬ何かがおこる。マングースもその例に漏れないと言えよう。しかも狙いのハブをほとんど捕獲しないとは、とんだ思惑違いだが、マングースだって危険を伴う猛毒のハブよりも、おとなしくて安全な獲物を狙うのは自然な成り行きだろう。
もう一つは20日の朝刊。全国各地の山林から、猟師(猟友会員)の姿が次々と消えていった。高齢化やレジャーの多様化、狩猟制限、猟銃への規制強化など色々な要素が絡んでいるらしい。結果、シカやイノシシやクマが増えて、農作物や人畜への被害に悩むことになったという記事。古来のニホンオオカミが絶滅したことが、これら動物の増加に関係しているという話も聞いたことがある。
自治体の中には、中国からオオカミを輸入して山林に放つという計画も持ち上がっていると記事は結んでいた。ジャワマングースの二の舞にならなければいいが、と思う。(2010.10.22)