2011-03-15
271)東日本大震災(2)
福島原発の事故の行方が気になる。最悪の結果にならないことを祈るばかりである。原発は何重にも安全対策が施してあるから、何があっても絶対安全だと聞かされてきた。今回の震災では「想定外」という言葉がよく使われた。何が起こっても「想定内」と言えるような原発というのは可能なのだろうか。
東京電力では計画停電を開始した。通勤電車が止まる、機械が動かない、医療機器が停止する、食事をつくれない、生活への影響は多大なものになろう。私は灯りひとつない真っ暗な夜を想像することが出来ない。電気のある生活に慣れ過ぎてきたのかも知れない。その電気の相当部分を原子力に頼っているという現実は重たいものがある。
日本経済に与える影響も甚大なものになるようだ。工場の生産活動が復旧するにも時間がかかるだろう。既にして株価は大幅に下落している。あっぷあっぷしている不況がさらに深刻になるのだろうか。
各地からの支援活動も動き始めた。物資や義捐金といった物的支援だけでなく、ボランティアなど人的支援も今後本格化するだろう。自分がどんなかかわりをできるのか、考えてみようと思う。
中国やロシアも救援活動に来てくれるらしい。領土問題をめぐって急速に悪化してしまった両国との関係が、これを機に好転する可能性はないのだろうか。
沈没寸前、今日沈んでも、明日沈んでもおかしくなかった菅政権の寿命が延びた。この国難を前に、政権争いを仕掛ければ非国民呼ばわりされてしまう。この地震がもたらした政治休戦は当分続かざるをえない。菅さんの政治資金の問題も何処かへ吹っ飛んでしまった。菅さんは政治的には無能だと思うけど、運だけは強いらしい。
評判の悪い、こども手当や高速道路無料化や農家の戸別所得補償等の民主党のバラマキ予算。震災の復興対策費をこれらのバラマキ財源から充当するという話が出ているという。財源難の中、旗を下ろすに下ろされず行き詰まっていた民主党。神の助けか、これらのマニフェストを取り下げる絶妙の名分ができたということだろう。まことに結構なことだ。(2011.03.15)