急に寒くなった。
昨日から冬物の背広に替えた。

半年間お世話になった夏物は
ご苦労さんでしたとクリーニング屋さんへ。
夏物に替わって
クリーニング袋の中に納まっていた冬物が
これからの出番だよと表に顔を出す。

何着か出てきた冬物の背広を見ても、
あれ、半年前に俺はこんな背広を着ていたんだっけ？
と何だか確信がもてない。
たった半年前である。
しかも毎日身につけていた背広である。

なんとも記憶力の減退が著しい。
何かにつけ、そのことを思い知らされる。
名前を思い出せない、言葉を思い出せない、
物を置いた場所を思い出せない・・・・・

そしてそれらの自覚には常に
呆けへの恐れがともなっている。
　　　　　　　　　（2011.10.27）