2011-11-21
357) 机上の国語辞典
この前から役者代わりした。
これまでその役目を果たしてきたのは『岩波 国語辞典』
今回その座に就いたのは『角川 必携国語辞典』
岩波は私が社会人になってすぐに買ったものである。
以来46年余り、よく尽くしてくれた。
私が書いた文書・文章の殆ど全部に関与し
誤字脱字や用法の違いをチェックし続けてくれた。
使いすぎて表紙の背がボロボロになり
製本が解けてバラバラになったのを
ガムテープで補強、補修して使ってきた。
あれからでも、もう10年以上が経過している。
先日、手にした途端に、ボロボロ、バラバラに崩れた。
もう寿命だろう。修理も効きそうにない。
岩波に感謝しつつ、新しい辞典を買うことにした。
ちょうど作家『井上ひさし』の本を色々を読んでいた。
『井上ひさしの作文教室』の中だったと思うが
一冊の国語辞典が推奨されていた。
尊敬する『井上ひさし』さんが推奨するのだから、
というので、疑いもなく角川辞典を買ったわけである。
採録語数は岩波よりやや少ないが
説明は詳しく丁寧でわかりやすい。
特に気にいっているのが言葉の使い分けの記述である。
似たような言葉の使い分け方が
2色刷り囲い書きで説明してある。
いま、無作為でぱっと開いたページには
「補う」と「償う」と「あがなう」の使い分けが
次に開いたページには
「遂行」と「成就」と「達成」の違いが載っている。
岩波は46年、角川はあと何年私の傍にいるのだろうか。
逆立ちしても岩波に追いつけないことだけは確実である。
(2011.11.21)