2013-11-12
497) 台風30号
史上最大規模とも言われ、被害の詳細はまだ掴めていない。
死者が1万人に達する、というような予測記事も目にした。
私が驚いたのは瞬間最大風速「90メートル」という数字である。
私は幼児の頃、当時は「台風銀座」と呼ばれた鹿児島で育った。
その頃の鹿児島には、年に何回も、大きな台風が襲ってきた。
台風前はいつも、一家総出でその対策に追われていた。
窓に板を打ちつけ、弱い所は斜交いに木材を補強し、
雨戸が飛ばないように、内外の物干し竿を縛って補強をする。
少しは頑丈な我が家に、隣近所の人が避難してきたこともある。
強くそして弱く息をつきながらうなる風の音は不気味だった。
ミシミシと音をたてて揺れる家の中は停電で真っ暗、
ろうそくの揺れる光の中で不安な一夜を過ごした記憶は鮮明だ。
通っていた小学校の校舎がぺしゃんこに潰れたのは衝撃だった。
近所の民家の2階部分が吹っ飛んでいって、
そのまま他家の屋根の上に乗っかっている姿を見た記憶もある。
港の船が座礁して何人もの犠牲者が出たこともあった。
それでも風速は50メートルをいくらか超えるくらいだった。
近年日本を襲っている台風も上陸してからは30~40メートルだ。
90メートルという風速がどのようなものか想像が出来ない。
地球温暖化の影響で、台風の勢力は強くなるばかりらしい。
これから先、日本にも70~90メートル級の強い台風がくる、
毎年のように襲ってくると予測する人もいる。恐ろしいことだ。
(2013.11.12)