2014-01-17
524) 海底のワイン
南アフリカ産の瓶詰め赤ワインを6000本、鉄製の枠に閉じ込めて伊豆の海底に沈めること数ヶ月、引き揚げて『海底熟成ワインSUBRINA』という商品名で売り出した。
ボトルのまま海に沈めると水圧によりコルクが簡単にボトル内に押し込まれてしまうらしい。そのため新たにロウ付けのシーリングワックス法を考案するなど色々と苦労もあったらしい。
その海底ワインの話題を息子がインターネットで見つけて、正月の手土産に持参した。
一見錆のような海底の赤い付着物をまとったままの、見るからに海から引き揚げたばかりという風情のワインボトルが1本、丁寧にセロハン紙に包まれていた。ボトルによっては牡蠣殼がついたものもあるという。
元旦、みんなで海底のめぐみをいただいた。ワインの味に通じているわけではない。美味しいはずだと思って飲むから美味しいのかも知れないが、たしかに美味しかった。高価なワインが空っぽになるのはあっという間だった。(2014.01.17)