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てげてげブログ
2014-05-22

601) 街角のある風景

昼休みのウォーキングコースに質屋がある。大きな交差点の角地に建つビル1階にある小さな店だが、店の名前自体はコマーシャル等でよく見る大手である。ドライブスルーの作りになっていて、常時車が2~3台順番を待っている。運転手が運転席に座ったまま、小さく開いた窓口とやり取りしている姿を、横目で見ながら毎日歩いている。


明治・大正期の小説には生活費に困った若奥さんが、親から貰った大事な着物を風呂敷に包んで、知人に見つからないように気を使いながら隠れて質屋に通う・・・といった風景が描かれている。しかし今どきの質屋は堂々と車で乗り付けるところのようだ。


質屋には生まれてこの方行ったことがない。だから質屋の仕組みや業界の事情を知らない。質草を預けてその価値の範囲内でお金を借りる、お金が工面できたら借金を返済して質草を請け出す・・・というのが基本型だと理解している。しかし今どきは売買に近い取引の方が多いのかもしれない。

店の周りをど派手に飾り立てている看板や幟の中に、無料査定と並んで、「高価買取」や「本気の買取」や「業者大歓迎」といったものが目を引くことから、ふとそんなことを感じただけのことである。


しかしそんなことは私にとってはどうでもよいことだ。これから先も、生涯にわたって質屋とは縁のない生活をおくりたいものである。(2014.05.22)

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