719) ムハンマド広場
今朝の新聞。『 イラン 全国に「ムハンマド」広場?・・・フランス風刺画に対抗 』という小さな記事が気になった。以下にその一部を転記する。
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イランの最高地方評議会のジャバンマド文化委員長は18日、本誌に対し、全国市町村の街道や広場の名前を「ムハンマド」に改名する指示を出す考えを明らかにした。
仏政治週刊紙によるイスラム教預言者ムハンマドの風刺画掲載への対抗措置で、ジャバンマド氏は、「15億人のイスラム教徒は、侮辱に抗議しなければならない」と語った。
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街道や広場の名前を変えること自体には何ら問題はない。しかしムハンマド風刺画掲載⇒パリテロ事件⇒ムハンマド風刺画再掲載⇒イランの街道・公園名称変更、という流れは非常に恐ろしい。反感の連鎖、不信の連鎖、憎しみの連鎖が世界中に拡がっているような気がする。そのあげくに、再びパリテロ事件のような不幸な発火をしなければいいがと思う。
偶像崇拝を禁じているイスラム教にあっては、ムハンマドの絵を見せられること自体がすでに自らを侮辱されたに等しいらしい。
フランスではフランス革命を経て、国民の価値観の中で言論の自由が重要な位置を占めるようになった、また権力や権威などに対する風刺が大切にされるようになったという。宗教も風刺の例外ではないらしい。
民族や宗教によってその価値観は多様だ。特に宗教は微妙な問題を含んでいる。世界中の人が、その多様さや異なる価値観をお互いに理解し、尊重するという気持ちがなければ衝突が起きてしまう。
複雑な国際情勢のことはよくわからない。しかし今回のことは、大国フランスが自らの価値観をあまりにも強く前面に出し過ぎた結果ではないか、という気がするのだが・・・。(2014.01.19)